いつも唐突な発言もしてくる宮橋の言葉には、偽りがないと知っているのだろう。いつだって彼は、事実と真実を話している。

 ――ただ、そこには言葉が少ないのだ。

「分かった。許可しよう」

 やがて、小楠警部がそう答えた。

 宮橋が部下らしく少しだけ頭を下げて、踵を返した。続いて彼は、捜査一課『L事件特別捜査係』と掲げられている部屋に入ると、そこでいくつかの種類別の地図を引っ張り出した。

 何やら確認している様子を、付いていった雪弥はさばから眺めた。

「――ふむ。ここだな」

 ふと、言いながら、とんとんと指で叩かれたのは、港沿いの大きな倉庫の一つだった。

 開きっぱなしの扉から、気になった様子で刑事達が覗き込んでいる。つい、そちらに気をつられて横目を向けた雪弥は、名前を呼ばれて宮橋へ目を戻した。

「雪弥君、送り届けて欲しいポイントは、ここだ。そう伝えておいてくれ」
「分かりました。ああ、既にいつでも離陸できる状態だそうです。なので伝えつつ、こっちに回させますね」

 言いながら雪弥は、携帯電話から追ってメールで指示を出す。