「異質さを感じるのは、当然さ。彼らは『怨みに、鬼』と言われる種類の名を、残念ながらそのまま家名に持った代表格だよ。――存在している方の、現代の〝本物の鬼〟さ」

 ……〝残念ながら〟?

 不意に、耳で感じ取った強められた言葉の部分。

 そこに違和感を覚えた雪弥は、黒いコンタクトの下から、蒼い光を波打たせた目を宮橋へと戻した。

 けれど雪弥が口を開くより、彼が踵を返して言葉を続けてくる方が早かった。

「これまでの感じからすると、奴らはどれだけ被害者が出ても構わない算段なんだろう。これ以上、被害者を出させてたまるか。僕だってブチ切れてる」
「どうするんです?」

 雪弥は、遅れまいとあとに続きながら尋ねた。

 宮橋は何やら番号を探し出すと、携帯電話を耳にあてる。

「もう場所は絞れている。あとは、僕が仕事部屋に置いてある方の地図で、条件が揃っているのか確認して決める。それから」

 と、玄関へ向かう宮橋の目が、不意に肩越しに振り返って雪弥を見下ろした。

「そのためにも、まずは時間を確保してこようと思う」
「時間?」
「君、言っておくが、僕は街の平和を守る一所属の刑事なんだぞ。出社しなかったら無断欠勤になる」
「あ……、なるほど」

 分かりやすいように言われて、雪弥は遅れて思い出した。

「そういえばそうでした。なんか宮橋さんって、あの同期の刑事さんがおっしゃっていたように、好き放題やっている人なのかとばかり――うわっ」

 言い掛けだったのに、ガシリと頭を鷲掴みにされてしまった。