あとは、届ける先の住所を確認するだけか。ほんと、良かった……。

「おい、雪弥君」
「うわっ、はい!」

 ビクッとして、雪弥は思わず反射的にそう返事をした。いつの間にか、支度を整え終えた宮橋がすぐそこまで来ていた。

「なんだ。僕に隠れてこそこそしなけりゃならない、いかがわしいやりとりでもしていたのか?」

 目が合った途端、彼が綺麗な顔をより顰める。

 護衛対象。その意識が働いていたおかげか、雪弥はうっかり殺しにかからなかった事に安堵しつつ答えた。

「そんなわけないじゃないですか。何を言っているんです」
「いや、君くらいの思春期だとな。あるかなと思って」

 疑問交じりに、宮橋が首を傾げながら言ってくる。自身にも経験がなかったのだろう。それなのに、なんでこの人は思い付いた感じで言ってきたのか?

「どんな思春期ですか」

 雪弥は溜息交じりに返した。彼は三十六歳らしいが、そもそもその目線からの物言いにもちょっと違和感がある。