――【ナンバー4へ。車、確保できそうです】

 いつものブラックスーツに着替えた後、一人リビングで待っていた雪弥は、そんなメールに気付いて胸を撫で下ろした。

 各一桁ナンバーには、国家特殊機動部隊暗殺機構から、それぞれ直属部隊が持たされている。

 そんな雪弥の持つ暗殺部隊の隊長、夜狐からの報告だった。

 今回、夜狐は「不思議な指示」と首を捻っているようだった。けれど優秀な彼は、迅速に雪弥の希望に従って動いてくれていた。

 宮橋が持つあのスポーツカーの型の黄色は、確かに手に入りにくいものであったらしい。

 深夜、その情報が含まれた一回目の経過報告メールを受けた際、雪弥は宮橋の超絶不機嫌な未来の顔が想像されて「えぇぇ」と思った。

 しかし、某国で知り合ったエージェント組織が、どうやらその話を聞いて名乗り出てきたようだ。

『ははは、ミスターユキヤが、あの車種の限定カラーを至急ご所望だって? なんだ、コレクションするくらいには、大人にでもなったのかい』