「ひどい、まさかの二回目……」
「君、そういうのは女子に無暗にやらんようにな。誤解されるぞ」

 一言、先輩としてアドハイスをし、宮橋がスポーツカーへと向かう。

「小楠警部に会うついでだ。さっきの強盗犯の件についても話しておこうと思う。まぁ、国のエージェントが関わっているとなれば、小楠警部も向こうの指示で隠すことなると思うが」
「まぁ、そうなるかと思います」
「君はその間、食堂でメシでも食っていればいい。馬鹿三鬼と藤堂も戻るだろうからな、奴らにしばし押し付けることにする」
「それ、本人を前にして言ってちゃっていいんですか?」
「先に宣言してやっているんだ。有り難く思え」

 宮橋が偉そうに述べる。早く乗れと促された雪弥は、不思議な人だと首を捻りつつも、先程と同じくスポツーカーの助手席に乗り込んだ。


 そうして向かったN県警にて、宮橋が言っていた通り三鬼たちコンビと鉢合わせたた。そして宣言通り、雪弥は彼らへ押し付けられてしまった。

 案の定、宮橋と三鬼は廊下のド真ん中で口喧嘩した。

 その間にも、竹内やら藤堂やらといった、彼らの同僚刑事らが加わっていき――結局、総勢十人の刑事に囲まれた状態で、雪弥はごはんをする事になったのだった。