ソフトに横倒しにさせられたバイクが、ガシャンッと派手な音を立てて部品の一部を破損させ、投げ出された青年たち共々道路を滑っていく。

 十分な距離感を持っていた後続車が、慌てて続々と車線を変更した。

 そんな中、雪弥は道路を滑るバイクを追って、一つ飛びで後ろへと宙返りし。数メートル滑ったところで、そのバイクに着地し〝地面にめり込ませて〟止めた。

 荒技である。余計に、色々と壊れた。

 脇を通過していく車やらトラックやらが、我が目を疑う顔で雪弥を見ていった。続いて地面を転がっていく青年たちが、そこへ到着してバイクの前で止まった。

 雪弥が、律儀にも視線を合わせようとバイクの上でしゃがみ込む。そんな中、二人の青年たちがハッとしたように彼を見つめ返して怒鳴った。

「あっぶねぇな! 何しやがんだ!」
「一体なんなんだよお前えええええええ!?」

 バイクの後ろに乗っていた方の青年は、半キャップのヘルメットの下で半泣きだ。