やがて宮橋は、広い国道の中央あたりの路肩で青いスポーツカーを停車させた。
「いちおう、警察車両だと分かるようにしていた方がいいのでは」
雪弥は、停めた車体のやや後ろに、三角表示板を置いただけの宮橋にそう声を掛けた。車の通りは落ち着いているとはいえ、本来は駐車禁止区域だ。
そうしたら宮橋が、背を起こして上から目線で叱り付けてきた。
「君は馬鹿か。警察関係だと分かったら、スピードを上げて逃げに入られるだろ。止めるのが面倒になるぞ」
「それ、止めるのは僕の役目なんですよね? 宮橋さんの臨時相棒(げぼく)として」
「もちろんだ。僕がそんな雑用係をやるわけがない」
確認してみたら、宮橋が当然だと言い返してくる。雪弥は困って首を首を傾げた。別に相手がスピードを上げようと、止められるのだけれど……と言いたげだ。
だが宮橋が、そのまま「ふんっ」と不機嫌そうに車体にもたれかかって、車の走行を眺めやってしまう。
質問するタイミングを逃した雪弥も、彼に習って待機姿勢で同じ方向を眺める。
「いちおう、警察車両だと分かるようにしていた方がいいのでは」
雪弥は、停めた車体のやや後ろに、三角表示板を置いただけの宮橋にそう声を掛けた。車の通りは落ち着いているとはいえ、本来は駐車禁止区域だ。
そうしたら宮橋が、背を起こして上から目線で叱り付けてきた。
「君は馬鹿か。警察関係だと分かったら、スピードを上げて逃げに入られるだろ。止めるのが面倒になるぞ」
「それ、止めるのは僕の役目なんですよね? 宮橋さんの臨時相棒(げぼく)として」
「もちろんだ。僕がそんな雑用係をやるわけがない」
確認してみたら、宮橋が当然だと言い返してくる。雪弥は困って首を首を傾げた。別に相手がスピードを上げようと、止められるのだけれど……と言いたげだ。
だが宮橋が、そのまま「ふんっ」と不機嫌そうに車体にもたれかかって、車の走行を眺めやってしまう。
質問するタイミングを逃した雪弥も、彼に習って待機姿勢で同じ方向を眺める。