「怨鬼ってのは、怨んで鬼。自分で恨んで、人が勝手に鬼になるのさ。けど、それだけならいい。でも自分の意思ではないのに『怨み鬼』になっちまうのは、だめだ。影響よりも厄介なのが、それを道具にすれば恨みだとかいった感情や事情なんて、必要なくなるってところ」
奥へと向かいながら話す風間が、そこで視線を前へと戻して「なんて言ったらいいのかなぁ」とぼやきガリガリと頭をかく。
「なんつうか、人が鬼になるってのは相当な想いの強さがないと、滅多にならないもんなんだよ。それを外から、他者の手で、意思と運命を捻じ曲げられて鬼に堕とされる。これは、あっちゃいけない事なんだ」
「誰かを鬼にしてしまえるかもしれないから、危ないものとして奥にしまってあるんですか?」
雪弥が確認すると、風間が詳細説明をしない事にして「まっ、そういうこと」と吐息交じりに答えて肩を竦めてみせた。
その時、凛、と美しい声が二人の間に割って入った。
奥へと向かいながら話す風間が、そこで視線を前へと戻して「なんて言ったらいいのかなぁ」とぼやきガリガリと頭をかく。
「なんつうか、人が鬼になるってのは相当な想いの強さがないと、滅多にならないもんなんだよ。それを外から、他者の手で、意思と運命を捻じ曲げられて鬼に堕とされる。これは、あっちゃいけない事なんだ」
「誰かを鬼にしてしまえるかもしれないから、危ないものとして奥にしまってあるんですか?」
雪弥が確認すると、風間が詳細説明をしない事にして「まっ、そういうこと」と吐息交じりに答えて肩を竦めてみせた。
その時、凛、と美しい声が二人の間に割って入った。