雪弥は、中へと入っていく宮橋に続いて鉄の扉をくぐった。後ろから風間が入って扉を閉め直す中、不意に、一瞬変な感じがして足を止めた。
――なんだろう。あまり、好かない。
その時、ピーンと警戒を張った雪弥の耳に、宮橋の声が入った。
「〝結界〟を通り抜けたからさ」
目を向けると、足を止めて雪弥を待っている宮橋がいた。まるで落ち着かせるみたいに、珍しくどこか柔らかな微笑を口元に浮かべてくる。
「大丈夫だよ。大丈夫だから、安心しなさい。君にとっては、ちょっと嫌なタイプのものかもしれないが、害はない」
どこか含むような口調で、宮橋がただただ落ち着かせるような柔和さでそう言った。
訝って様子を見ていた風間が、そこでふと、納得した顔をする。
「なんだ、結界を感じるって事は、この綺麗な顔した新人さんも〝そっち関係〟なんですか?」
「――ま、そんなところかな」
宮橋が話を打ち切った。風間は詮索せず「どうりで、それっぽい空気があると思った」と感想して案内すべく歩き出した。
――なんだろう。あまり、好かない。
その時、ピーンと警戒を張った雪弥の耳に、宮橋の声が入った。
「〝結界〟を通り抜けたからさ」
目を向けると、足を止めて雪弥を待っている宮橋がいた。まるで落ち着かせるみたいに、珍しくどこか柔らかな微笑を口元に浮かべてくる。
「大丈夫だよ。大丈夫だから、安心しなさい。君にとっては、ちょっと嫌なタイプのものかもしれないが、害はない」
どこか含むような口調で、宮橋がただただ落ち着かせるような柔和さでそう言った。
訝って様子を見ていた風間が、そこでふと、納得した顔をする。
「なんだ、結界を感じるって事は、この綺麗な顔した新人さんも〝そっち関係〟なんですか?」
「――ま、そんなところかな」
宮橋が話を打ち切った。風間は詮索せず「どうりで、それっぽい空気があると思った」と感想して案内すべく歩き出した。