「宮橋先輩、そもそもですね、俺はそういう感覚は持ち合わせていないので、魔術が作動しちゃっても分からなというか――ひぃぇえええ!?」
直後、雪弥は風間の胸倉を掴んで持ち上げていた。
持ち上げてみたとはいえ、一体どうしろと、と宮橋に困惑した顔を向ける。だが風間は、宮橋にされたがごとく怯え、浮いた足をバタバタとさせながら叫んだ。
「綺麗な顔したこの美青年めちゃくちゃ怪力なんですけど!? み、みみみ宮橋先輩っ、まさか俺をサンドバックにでもするつもりですか!?」
「ははは、まさか。僕はわざわざそんな手間をかけるのは、嫌いだよ」
ふふん、と宮橋は偉そうだった。
あ、だからさっき、あっさり彼の頭から手を離したのか、と雪弥は気付いた。初の打ち合わせで、臨時の部下でも後輩でもなく〝下僕〟と言われていたのを思い出す。
そもそも、この持ち上げに一体、なんの意味があるのか。
そう雪弥は思って、足をばたばたしている風間の体重も感じていない様子で、吐息を一つもらした。そんな中、宮橋がニヤリとして風間がビクッとする。
直後、雪弥は風間の胸倉を掴んで持ち上げていた。
持ち上げてみたとはいえ、一体どうしろと、と宮橋に困惑した顔を向ける。だが風間は、宮橋にされたがごとく怯え、浮いた足をバタバタとさせながら叫んだ。
「綺麗な顔したこの美青年めちゃくちゃ怪力なんですけど!? み、みみみ宮橋先輩っ、まさか俺をサンドバックにでもするつもりですか!?」
「ははは、まさか。僕はわざわざそんな手間をかけるのは、嫌いだよ」
ふふん、と宮橋は偉そうだった。
あ、だからさっき、あっさり彼の頭から手を離したのか、と雪弥は気付いた。初の打ち合わせで、臨時の部下でも後輩でもなく〝下僕〟と言われていたのを思い出す。
そもそも、この持ち上げに一体、なんの意味があるのか。
そう雪弥は思って、足をばたばたしている風間の体重も感じていない様子で、吐息を一つもらした。そんな中、宮橋がニヤリとして風間がビクッとする。