どうやら、宮橋とは大学時代からの知り合いでもあるらしい。様子を見守ってそう理解したところだった雪弥は、少し遅れて慣れない自己紹介を口にした。

「昨日から臨時のパートナーをやっている、雪弥です」

 深く突っ込まれたら困るなと思いながら、ざくっとそう答える。するとその途端、風間が全てを察したような顔で、あわあわと口元に手をやった。

「可哀そう……。君ら新人って、全員まずは宮橋さんの相棒にあてられるとか、ほんと残酷だよね」
「…………」

 なぜか、心からされてしまった。急きょな臨時の相棒に疑問を抱かれなかったのはよかったが、それにしても一体、これまでの宮橋の相棒候補達に何があったのか。

 すると、そんな事はどうでもいいという態度で、宮橋が「おい風間」と呼んだ。

「確認したい事があって来た。お前、L事件関係だという事で県警にも収集を許可されている身で、『厳重な保管』と言いながら、盗人を許したな?」

 風間が、しばし理解するための時間を要した。