「まぁ、僕もたまにしか入らない。どれがうまいだとかは、分からん」
その時、二人のいる席の横通路を歩いていくスーツの男が、そう答える宮橋をちらりと見やった。バーガーを四つ、ぺろりと平らげていたのを見ていたからだ。
端整な顔立ちもあって、そして見事な食べっぷりでも余分に目立ってしまって注目を集めてもいた。しかし、二人は気付かないままさっさと店を出る。
腹ごしらえを済まして外に出てみれば、夏到来の日差しが降り注いでいた。先程よりも強くなった熱気と明るさを前に、宮橋がチラリと秀麗な眉を顰める。
「今日も、暑いな」
宮橋は手で日差しを遮り、指の間から青空を見やりながら言った。雪弥は、つられたようにして目を向ける。
「そうですね」
到来した夏の風が柔らかく吹き抜け、雪弥の灰色とも蒼色ともつかない髪がさらりと揺れていた。その下で、日差しが黒いコンタクトの奥の碧眼に映り込んでいた。
ほどなくして、二人はその場を後にすべく歩き出した。
その時、二人のいる席の横通路を歩いていくスーツの男が、そう答える宮橋をちらりと見やった。バーガーを四つ、ぺろりと平らげていたのを見ていたからだ。
端整な顔立ちもあって、そして見事な食べっぷりでも余分に目立ってしまって注目を集めてもいた。しかし、二人は気付かないままさっさと店を出る。
腹ごしらえを済まして外に出てみれば、夏到来の日差しが降り注いでいた。先程よりも強くなった熱気と明るさを前に、宮橋がチラリと秀麗な眉を顰める。
「今日も、暑いな」
宮橋は手で日差しを遮り、指の間から青空を見やりながら言った。雪弥は、つられたようにして目を向ける。
「そうですね」
到来した夏の風が柔らかく吹き抜け、雪弥の灰色とも蒼色ともつかない髪がさらりと揺れていた。その下で、日差しが黒いコンタクトの奥の碧眼に映り込んでいた。
ほどなくして、二人はその場を後にすべく歩き出した。