「ただ、まだよくは『見えなくて』分からない」
それ以上言うつもりはない様子で、そちらをじっと見据えて口をつぐむ。
その美貌の顔に浮かんでいるのは、無表情だ。けれど雪弥は、なんだかなぁと感じる部分があって、彼の視線の先を追うようにしてガラス窓へと目を流し向けてみた。
一面のガラスの向こうには、贅沢にも一望出来る美しい夜景が広がっていた。そこにはビールを飲み続けている自分と、押し黙っている宮橋が映っている。
「苛々してます?」
雪弥は、目を戻してそう尋ねた。
空になった缶が、そのまま彼の手でガラステーブルに置かれる音を聞いた宮橋が、頬杖をついたまま横目に見やる。
「まぁ、それなりにね」
「あ、良かった普通だ。てっきり、当てたら当てたで、また怒られるかと思っていました」
本人の前だというのに、雪弥が堂々と胸を撫で下ろすのを見て、宮橋が途端に顰め面を向けた。
それ以上言うつもりはない様子で、そちらをじっと見据えて口をつぐむ。
その美貌の顔に浮かんでいるのは、無表情だ。けれど雪弥は、なんだかなぁと感じる部分があって、彼の視線の先を追うようにしてガラス窓へと目を流し向けてみた。
一面のガラスの向こうには、贅沢にも一望出来る美しい夜景が広がっていた。そこにはビールを飲み続けている自分と、押し黙っている宮橋が映っている。
「苛々してます?」
雪弥は、目を戻してそう尋ねた。
空になった缶が、そのまま彼の手でガラステーブルに置かれる音を聞いた宮橋が、頬杖をついたまま横目に見やる。
「まぁ、それなりにね」
「あ、良かった普通だ。てっきり、当てたら当てたで、また怒られるかと思っていました」
本人の前だというのに、雪弥が堂々と胸を撫で下ろすのを見て、宮橋が途端に顰め面を向けた。