『言っておくが、それもう二度とすんなよ。俺の二十代の頃の一番のトラウマ級の体験だぞ。というか、なんかそっち騒がしくないか? ちょっと声が聞き取りづら――』
「ああもうッ煩いぞ馬鹿三鬼! こっちは絶賛『戦闘中』だ! 緊急の用じゃないんなら電話してくるなッ」
『は……? おい、宮橋それどういう意――』
直後、宮橋が気付いて目を向け「あ」と声を出した。
保護対象者のレッドラインまで踏み込まれたのを見て取った瞬間、雪弥は反射的にカチリと判断をして飛び出していた。
そこには、身体の半分を機械で覆われている大男の姿があった。偽物の眼球はすっかり上を向いて痙攣し、ずるずると電気コードを吐き続けている口からは、化学薬品交じりの体液が溢れ出ている。
なんだか、何百もの蛇に身体を覆われているような姿にも思えた。喉仏や肩、四肢、それから身体から噴き出し蠢く先にも不統一で武器を生成し続けている。
そのあらゆる銃口が、一斉にガチャリとこちらを向いた。
「ああもうッ煩いぞ馬鹿三鬼! こっちは絶賛『戦闘中』だ! 緊急の用じゃないんなら電話してくるなッ」
『は……? おい、宮橋それどういう意――』
直後、宮橋が気付いて目を向け「あ」と声を出した。
保護対象者のレッドラインまで踏み込まれたのを見て取った瞬間、雪弥は反射的にカチリと判断をして飛び出していた。
そこには、身体の半分を機械で覆われている大男の姿があった。偽物の眼球はすっかり上を向いて痙攣し、ずるずると電気コードを吐き続けている口からは、化学薬品交じりの体液が溢れ出ている。
なんだか、何百もの蛇に身体を覆われているような姿にも思えた。喉仏や肩、四肢、それから身体から噴き出し蠢く先にも不統一で武器を生成し続けている。
そのあらゆる銃口が、一斉にガチャリとこちらを向いた。