「――自分からの攻撃は、ノーダメージなのか」

 そうすると、こちらが持っている銃の方も効かないのだろう。

 そう推測しながら、雪弥は宮橋のいる方の廊下へ一旦身を滑り込ませた。

「ミサイル弾を蹴り飛ばすって……軍泣かせだなぁ」
「ざっと見た感じだと、頭の部分を押さなければ爆発しないタイプのものだったので、それ以外のところを蹴りました」

 雪弥は、ざくっとそう答えた。宮橋が「いや、そういう事じゃなくてだな」と続けようとした言葉は、再び始まった大型攻撃によって遮られた。

 大きな爆音が続けて鳴り響いた。砕かれた壁の一部が舞い、近くの柱まで破壊されて破片が飛ぶ。建物が揺れて廊下の上の天井にもヒビが入り、パラパラと居頭上から降ってくる。

 こちらの姿が見えないというのに、まるで乱れ撃ちだ。

「くそッ、信じられるか!? 破壊兵器が生きているみたいだな」

 咄嗟に頭を両腕で庇っていた宮橋が、ようやく一旦、銃撃までやんだところで怒りの声を上げた。