男が不意に、こちらと向き合うように一歩踏み出してきた。どしりとした足音は、鉄の固まりが置かれたかのような重量感でもって響く。
と、大男の首が、グギリと右に傾げた。口がぶるぶると開いたかと思うと、太い電気コードのようなモノがずるりと蠢き出てくる。
「うげ」
雪弥と宮橋の声が、珍しく揃った。
口だけでなく、男の手足からもソレが続々と伸び始めた。大男の晒された太い首からも、皮膚を突き破って機械の電子線が飛び出してきて、増殖するみたいにどんどん増えて行く。
不意に大男の腕が、衣服を内側から破いて二つに裂けた。
「うっわ、グロテスクだな」
趣味が悪すぎるぞ、と、宮橋が思わずそう言った時――。
内側を晒して面積を広げた両腕が、あっという間に血管のような無数の配線を蠢かせたかと思うと、ガチャリ、と複数の砲弾口を形勢した。
「え」
きゅいーん、と聞き慣れた装填音がする。
一瞬、呆けてしまっていた雪弥は、ハッとして宮橋の腕を取った。
と、大男の首が、グギリと右に傾げた。口がぶるぶると開いたかと思うと、太い電気コードのようなモノがずるりと蠢き出てくる。
「うげ」
雪弥と宮橋の声が、珍しく揃った。
口だけでなく、男の手足からもソレが続々と伸び始めた。大男の晒された太い首からも、皮膚を突き破って機械の電子線が飛び出してきて、増殖するみたいにどんどん増えて行く。
不意に大男の腕が、衣服を内側から破いて二つに裂けた。
「うっわ、グロテスクだな」
趣味が悪すぎるぞ、と、宮橋が思わずそう言った時――。
内側を晒して面積を広げた両腕が、あっという間に血管のような無数の配線を蠢かせたかと思うと、ガチャリ、と複数の砲弾口を形勢した。
「え」
きゅいーん、と聞き慣れた装填音がする。
一瞬、呆けてしまっていた雪弥は、ハッとして宮橋の腕を取った。