ノエルは『その解釈で間違っちゃいねぇな』と言って、話の先を続けた。

『なにしろ、当時も魔術という呼ばれ方はあった。それを利用して装飾品や武器、道具を作り上げて【術具】として使っていた訳だ。そいつを利用する事で、魔力の供給源である妖獣師がいなかろうと、その術具の魔力の力が失せない限りは発動が続く物も誕生した」

 魔術は魔力を持った【妖獣師】を介して行われるため、当人の魔力が底を尽きたり、死亡によって供給源が途絶えた場合は消えてしまう。だが、妖獣師時代の後半からは、術具自体にあらかじめ魔力源を組み込む事でそれを回避可能にもなった。

『術具が作られていた時代は、かなり大昔だ。今でも遺跡に怪奇現象のような効果を引き続き起こしているとなると、かなりまともな物である可能性も高い。砂の亡霊と呼ばれている害獣が幻影なのか投影なのか、殺傷性のある実体なのかによっても変わってくるが』

 情報の少ない現時点では、術具の性能値や種類までは絞り込めない。