そんな簡単には壊れないだろう。いや、しかし、年代物なら可能性がなくもない、のか……?
深くは考えるまい、と萬狩は頭を振った。
「まぁいい。その高そうな首輪や、ダイヤの行方は聞かないでおく。こいつの首輪は俺が買っておこう」
「えぇッ、ダイヤの行方を聞かないんですか? 弁護士さんが引き取りに来たんですけど、怒りもせずに持って帰ってしまったっていう後日談もちゃんとあるのに……あ、首輪なら僕の店にも置いてますよ」
仲西が胸を張ってそう言ってきたが、萬狩は彼のセンスを疑い、「いい。俺が買っておく」と断った。
一応、シェリーは今、萬狩の犬という事になっているのだ。あの長い毛だからほとんど隠れてしまうだろうが、ピンクにひらひらのついた乙女チックな目立つ首輪だったら、嫌だなとは思ったのだ。
オススメの可愛い首輪を持ってきますから、と仲西がしつこく提案してきたので、萬狩は、仲西青年に短い留守を任せて近くのホームセンターに車を走らせた。
犬用の首輪は案外、色も種類も多かったのだが、中型以上の大きさのあるシェリーが、老犬である事を踏まえて慎重に探す事にした。
萬狩は数十分ほど、犬用のグッズ・コーナーを見て回り、結局は首に負担のなさそうな、細くてシンプルなオレンジ色の首輪を選んだ。ベルト周りに青い線が入っていて、上品な程度に花柄も付いている。
シンプル過ぎる単色の安い首をよりも、毛並みがきれいで大きな身体をしたシェリーには、これが一番合うような気がした。
帰宅すると、仲西が「早速付けましょうッ」といって萬狩からレジ袋を受け取り、商品を見るなり「シェリーちゃんにぴったり!」と評価し、嬉しそうにそれを、彼女の首に手際良く付けた。
深くは考えるまい、と萬狩は頭を振った。
「まぁいい。その高そうな首輪や、ダイヤの行方は聞かないでおく。こいつの首輪は俺が買っておこう」
「えぇッ、ダイヤの行方を聞かないんですか? 弁護士さんが引き取りに来たんですけど、怒りもせずに持って帰ってしまったっていう後日談もちゃんとあるのに……あ、首輪なら僕の店にも置いてますよ」
仲西が胸を張ってそう言ってきたが、萬狩は彼のセンスを疑い、「いい。俺が買っておく」と断った。
一応、シェリーは今、萬狩の犬という事になっているのだ。あの長い毛だからほとんど隠れてしまうだろうが、ピンクにひらひらのついた乙女チックな目立つ首輪だったら、嫌だなとは思ったのだ。
オススメの可愛い首輪を持ってきますから、と仲西がしつこく提案してきたので、萬狩は、仲西青年に短い留守を任せて近くのホームセンターに車を走らせた。
犬用の首輪は案外、色も種類も多かったのだが、中型以上の大きさのあるシェリーが、老犬である事を踏まえて慎重に探す事にした。
萬狩は数十分ほど、犬用のグッズ・コーナーを見て回り、結局は首に負担のなさそうな、細くてシンプルなオレンジ色の首輪を選んだ。ベルト周りに青い線が入っていて、上品な程度に花柄も付いている。
シンプル過ぎる単色の安い首をよりも、毛並みがきれいで大きな身体をしたシェリーには、これが一番合うような気がした。
帰宅すると、仲西が「早速付けましょうッ」といって萬狩からレジ袋を受け取り、商品を見るなり「シェリーちゃんにぴったり!」と評価し、嬉しそうにそれを、彼女の首に手際良く付けた。