思えば、俺の周りは変な奴らばかりだ。

 こいつらは谷川と違って、勝手に集まって勝手に騒ぐもんだから、余計に困った連中である。

        ※※※

 朝から続いたバーベキューも、そろそろ終わりが迫っていた。萬狩達は、遊び疲れた重い身体をひきずりながら、花火の後片付けを行った。

 涼しいとも感じられるようになった夜風に、自然と身体の熱は冷まされた。仲村渠が、先にブルーシートに豚と顔文字のクッションを用意して腰かけ、遅れてやってきた萬狩達に「お疲れ様」といって缶ビールを差し出した。

 仲村渠は、仲西にはオレンジジュースを手渡していた。萬狩は、手元のアルコール飲料を改めて見降ろし、この際だと、投げやりに久しぶりの缶ビールを煽った。

 早朝からずっとクーラーボックスで眠っていた缶ビールは、喉の奥が痛むほどに冷たくて美味かった。古賀もビールをやったが、仲村渠老人は、相変わらずノンアルコールビールだった。

 辺りは漆黒の闇に包まれ、萬狩の家の明りだけが頼りなく庭先を照らし出していた。

 四人は、自宅から少しだけ離れた場所に敷いたビニールシートに横になった。狭いビニールシートの中を、シェリーが当然の顔で大きな身体を滑り込ませ、萬狩と仲西の間に居座った。

 眼前に広がるのは、闇夜に浮かぶ無数の輝きを放った広大な宇宙だった。ブルー、グリーン、サファイヤにオレンジ、その全ての圧倒的な美しさが、しばらく萬狩達の言葉を失わせた。

「萬狩さん、知ってます? 星の輝きって、ずうっと昔の光が、遅れて地球にやってきているんですよ」
「知っている」
「もしかしたら、もうない星だってあるのかもしれないし、生まれている星だってあるのかもしれない。存在しない星の輝きが、こうして地球を照らし出しているなんて、なんだか不思議ですよねぇ」