着替えや部屋の片づけをしてなんとかうるさい心臓を落ち着かせた。
 枕元に置かれていたバレッタをポケットに仕舞い、一階へと下りる。

 そこにいた人たちは私の足音に気づき、こちらを向いてくれた。

 「アカリ!」

 一番に声をかけてくれたのはモモさんだった。私の近くに来て顔を合わせてくれた目元が少し赤くなっている。

 「無事でよかった」

 彼女の後ろにはシュベルトさんとエイトさんもいた。

 「クラネスから灯さんが倒れたと聞いて心配していたのですよ」

 不安気な表情を浮かべられ、また胸が痛んだ。
 同時に、私のことを思ってくれる人たちがいるのだと分かって嬉しくなってしまった。

 「すみません」

 クラネスさんのおかげで元気になったと笑顔を向けると、安心してくれた。