「お嬢さん、そろそろ休憩したらどうだ?ずっと動きっぱなしだろ?」

 シュベルトさんに言われて、パーティーが始まってから一度も休憩していないことに気がついた。

 「そうですね、では少し席を外してもいいですか?」

 「少しと言わず、ゆっくりしてきなさい」

 「ありがとうございます」

 私は紙袋を持ってキッチンを出た。


 まだまだ賑わっているパーティー会場で、ある人を探す。

 「あ」

 ……いた。
 見つけた先でも相変わらず人に囲まれている。

 私は軽く深呼吸をして近づく。そして後ろから彼の腕を軽く(つつ)いた。

 「クラネスさん、ちょっといいですか?」