午後二時。天気が良すぎて日差しに目をつぶりたくなる。


春休みということもあって商店街には学生がうじゃうじゃいた。

この光景を嫌味ったらしく思うのには理由があって、私はあのキラキラした雰囲気とノリでなんでもこなす学生が苦手だ。
体育祭やら文化祭やら学生が青春と言って盛り上がるような行事も嫌い。


基本的に目の前にある面倒事にはマイナス思考が働く。

初めから期待している方が馬鹿らしいし、誰かといると考えなくていいことまで背負わなければならないから、他人と関わるのは面倒だ。

だから一人が楽。


こんな人間だから学生生活は楽しいと思えなかった。
「若いんだから今を楽しまないと、もったいないよ!」
母親に相談すると、太陽のような笑顔でそう言われた。

太陽と正反対の私は、ただただ暑苦しいと思っていたけれど、母親なりに背中を押してくれていたのかもしれない。