──感情は、時に原動力になる。だが、その感情は消え去れば後悔に変わる。
一月。新年の幕開けは決して楽しいものなんかじゃなかった、
正月休みも終えて、学校も三学期が始まった。
このときの僕にとって学校に行くことは野球をするためだったから、授業なんてほとんど聞いていないようなものだった。
朝練に誰も来ない時間帯に行き、練習用の設備を整え、朝練が始まるまでの空き時間に少しでも練習する。
これだけが唯一の楽しみであり、自分に自信が持てる行動だった。
しかし、
「オラッ! もっと食らいつけ!」「それくらいは絶対捕れただろ!」
実践は上手くいかない。
毎朝やっていたとしても気持ちが、感情が自分の体力を向上させてくれることはない。
「くっそ……!」
苛つきながら、思いっきりボールを壁に当てるも、この野球部のなかでは最も遅い。
ぐるるるる……。
まただ。お腹が痛い。
ここ最近、冬の寒さのせいでお腹が冷えてきているのか分からないが、お腹が死ぬほど痛くなる。
だけど、動かないわけにもいかずに体を動かして投げる。
走るのも遅い。投げるのも遅い。基礎体力はゴミ以下。慢心で自意識過剰なクソ野郎。
そんな僕は、この生活に絶望しつつあった。
もう限界だった。
体力的にも精神的にも。
そして、二月十九日。
その日、僕の人生が変わったある事が起きた。
それは、許されない後悔の話だ。
一月。新年の幕開けは決して楽しいものなんかじゃなかった、
正月休みも終えて、学校も三学期が始まった。
このときの僕にとって学校に行くことは野球をするためだったから、授業なんてほとんど聞いていないようなものだった。
朝練に誰も来ない時間帯に行き、練習用の設備を整え、朝練が始まるまでの空き時間に少しでも練習する。
これだけが唯一の楽しみであり、自分に自信が持てる行動だった。
しかし、
「オラッ! もっと食らいつけ!」「それくらいは絶対捕れただろ!」
実践は上手くいかない。
毎朝やっていたとしても気持ちが、感情が自分の体力を向上させてくれることはない。
「くっそ……!」
苛つきながら、思いっきりボールを壁に当てるも、この野球部のなかでは最も遅い。
ぐるるるる……。
まただ。お腹が痛い。
ここ最近、冬の寒さのせいでお腹が冷えてきているのか分からないが、お腹が死ぬほど痛くなる。
だけど、動かないわけにもいかずに体を動かして投げる。
走るのも遅い。投げるのも遅い。基礎体力はゴミ以下。慢心で自意識過剰なクソ野郎。
そんな僕は、この生活に絶望しつつあった。
もう限界だった。
体力的にも精神的にも。
そして、二月十九日。
その日、僕の人生が変わったある事が起きた。
それは、許されない後悔の話だ。