──部活動とは、僕が思っているよりしんどく辛いものだった。


 入学して約一週間が経った僕は、部活動を決めるのに悩んでいた。

 もし、今の僕の記憶を維持したまま過去に戻れるなら、入部届けをすぐに捨てると思う。

 別に部活動を否定している訳ではない。
 たった一年間だけとはいえ、持続的に毎日なにかを続ける力をおかげで手にいれたし、体力もそれなりにはついた。

 漫画やアニメで部活は青春だの、生き甲斐(がい)だのと言われているし、本当にそれを頑張っている人もいるから、僕がなにかを言う人間じゃないことは分かっている。

 ただ、ここで自分がなんでも出来ると思っている人間だったから慢心(まんしん)だったからそんな感情をすぐに消すべきだったのだと反省している。

 人というのは、初見の態度をその人間の全てだと思い込むクセがある。もちろん、例に漏れず僕もそうだった。

 部活動体験の期間を終えて、入部届けに書いたのは野球部の文字。

 入部の理由は野球が好きだったこと、そしてこれは中学校一年生の時の自分の人生の目標である《バカにされない人間になる》ということが作用した結果だと思う。

 そうして、野球部に入部した僕は四人の同級生と九人の先輩達と支え合い、笑い合い、時にぶつかる……なんて漫画のような日々を描いていたのだ。