高校入試は人生の分かれ道らしい。

 偏差値が高い高校に行けば、良い就職先を手にする事が出来る……と言われているのはひとむかし前の話。

 もちろん、今も高学歴しか取ってくれない会社があるものの、ほとんどの人間が進むのは中堅の高校だ。

 社会を舐めていると思われるだろう。

 でも、仕方がないのだ。

 人の大多数の人間は凡人なのだから。

 僕もその凡人のひとりだ。

 三回目になる高校訪問に、僕は緊張をしていた。

 五十分のテストを三教科受ける。

 国語から始まり、数学で終わる。

 国語は予想問題より漢字が難しかった。そして、英語はまあまあな出来だったと思う。

 やはり、赤本通り、数学は難しかった。

 結果が来るまでこれで落としたと思っていたほどだ。

 そして、昼ご飯を食べてから面接を開始した。

 二、三個質問され、僕は用意していた答えを言った。

 予想がつく質問で本当に安心した。

 それから家に帰ってから、ゲームや小説の世界に没頭した。

 あの三日間は本当に楽しかった。
 そして、数日後、入試結果がポストに投函された。

 結果は合格。

 僕から緊張はでていき、高校生活への期待が……でるわけなかった。

 それから、僕はゲームや小説を執筆する日々を楽しみ、卒業までの時間を過ごしていった。

 体に付いていた重りが一気に外された。