──出会いというものはいつも突然で、それを運命と呼ぶ。

 ならば、あの日僕らは、きっと誰よりも固い絆を手にいれたのだろう。

 僕は、過去の後悔抱えたまま、中学校二年生に進級した。

 数日間はクラスや周りの目をかなり気にしていた。

 進級したとはいえ、僕の学校では生徒の人数が少なかったので何かがあったとき、話題になりやすかったからだ。

 女子の間で揉め事があった時も、話題になっていた。

 時々、噂を聞き付けたクラスメイトが僕になんでやったのかと話しかけてくる。

 初めはバカにしているのかと思っていたが、そうではなかった。

 嘘をつくことも出来たけど、春休みの間に考えていた新しい自分の人生の目標が僕をそうはさせなかった。

 ありのまま、事実を話終えると彼らは、決まって納得し、そして帰っていく。

 さて、新学期になって変わった事はふたつある。

 まずひとつ目は良いこと。

 それは、僕に親友と呼べる存在が出来た事だ。

 親友はバスケ部のエース的存在で身長百八十cmの巨体の持ち主だ。しかし、彼とはクラスは違っていた。

 ふたつ目は、クラスに僕に友達と呼べる存在が居なかったこと。

 適当に前後左右のクラスメイトとは会話をしていたものの、友達になれそうな雰囲気ではなかった。

 俗に言うパリピ、陽キャという奴らが集まっていたからだ。

 まぁ、それで僕は幸か不幸かあの子と仲良くなるのだけれど。

 その話はまた追い追い。

 休み時間、一人ポツリと椅子に座っている眼鏡をかけた男子生徒が居た。

 その子が後に僕のバンド仲間となるのだから、運命って凄いなと思う。

 僕は気がつけば話しかけていた。

 そして、すぐに仲が良くなった。

 バンド仲間は僕に勇気を与えてくれた。

 そして、三年間のうちの二年分を笑顔に変えてくれた。