▼第10話『久々の肉にテンションが上がるのは仕方ないと思う』
どどん、と鎮座する肉をミーアたちが切り分けてくれる。
花人族に肉食の習慣はないようで、フラウたちは遠巻きにして物珍しそうにバーベキューの準備を眺めていた。
そのかわり、東の山からよく乾いた薪を集めてくれたので、火をおこすのには苦労しなかった。
「味付けは、塩とニンニク……それから、ハーブ類ね」
上下大陸では、胡椒は超高級調味料だ。
主な味付けは塩で行われる。
「作付けしておいてよかった、ニンニク!」
リィトも料理の心得はないので、目分量で塩とハーブとニンニクを肉にまぶしていく。やはり、ニンニクがあるだけで食欲をそそる匂いがたちのぼる。
鉄板はないので、直火でいくことにする。
耐火性能を上げたベンリ草で串をつくって、肉と野菜を刺していく。
見るからにバーベキューという感じの串ができあがった。
「おおお~っ!」
「猫人族はネギはダメだろ? こっちの串が、君たちのぶんね」
「にゃんと、門外不出のわがはいたちの弱点をわかっているとは……リィト氏、何者であるか……!?」
「えっ、あ、そうなの」
猫にタマネギは絶対ダメって、常識だと思っていた。前世では激務からの現実逃避で猫を飼う妄想をしていたから、知識だけはあるのだ。
「ふにゃぁ~♪ マタタビ酒うみゃ~~♪」
「あ、マンマずるいニャ! ミーにもよこすニャッ!」
「にゃふふぅ、早い者勝ちぃ」
「ウニャーッ!」
お酒大好き猫人族ズを横目で眺めながら、リィトは真剣そのものだった。
まずは、焚き火が落ち着くまで待つ。
遠赤外線を発する、いわゆる熾火。これでじっくりと肉を焼き上げる。
肉の香ばしい匂いがあたりに漂い、花人族たちすら肉と一緒に焼かれている野菜に普段とは違うエキスを感じているのか、ごくりと喉を鳴らしている。
「さぁ、できた」
じっくりと焼き上げたバーベキューを配る。
花人族はジューシーな肉におっかなびっくりだったので、野菜串を別に作ってあげた。野菜なら、文字通り売るほどあるのだ。
「いっただっきまーす!」
新鮮な肉は、帝国でもギルド自治区でも高級品。
どどん、と鎮座する肉をミーアたちが切り分けてくれる。
花人族に肉食の習慣はないようで、フラウたちは遠巻きにして物珍しそうにバーベキューの準備を眺めていた。
そのかわり、東の山からよく乾いた薪を集めてくれたので、火をおこすのには苦労しなかった。
「味付けは、塩とニンニク……それから、ハーブ類ね」
上下大陸では、胡椒は超高級調味料だ。
主な味付けは塩で行われる。
「作付けしておいてよかった、ニンニク!」
リィトも料理の心得はないので、目分量で塩とハーブとニンニクを肉にまぶしていく。やはり、ニンニクがあるだけで食欲をそそる匂いがたちのぼる。
鉄板はないので、直火でいくことにする。
耐火性能を上げたベンリ草で串をつくって、肉と野菜を刺していく。
見るからにバーベキューという感じの串ができあがった。
「おおお~っ!」
「猫人族はネギはダメだろ? こっちの串が、君たちのぶんね」
「にゃんと、門外不出のわがはいたちの弱点をわかっているとは……リィト氏、何者であるか……!?」
「えっ、あ、そうなの」
猫にタマネギは絶対ダメって、常識だと思っていた。前世では激務からの現実逃避で猫を飼う妄想をしていたから、知識だけはあるのだ。
「ふにゃぁ~♪ マタタビ酒うみゃ~~♪」
「あ、マンマずるいニャ! ミーにもよこすニャッ!」
「にゃふふぅ、早い者勝ちぃ」
「ウニャーッ!」
お酒大好き猫人族ズを横目で眺めながら、リィトは真剣そのものだった。
まずは、焚き火が落ち着くまで待つ。
遠赤外線を発する、いわゆる熾火。これでじっくりと肉を焼き上げる。
肉の香ばしい匂いがあたりに漂い、花人族たちすら肉と一緒に焼かれている野菜に普段とは違うエキスを感じているのか、ごくりと喉を鳴らしている。
「さぁ、できた」
じっくりと焼き上げたバーベキューを配る。
花人族はジューシーな肉におっかなびっくりだったので、野菜串を別に作ってあげた。野菜なら、文字通り売るほどあるのだ。
「いっただっきまーす!」
新鮮な肉は、帝国でもギルド自治区でも高級品。