「信じられにゃいくらいクソ田舎に引っ込んでしみゃった魔導師のライフラインを、ミーが確保するって約束したのにゃ」

「………おい」

「ふにゃ! 首根っこ掴むにゃよ、暴力反対~っ!」

「その出張、わがはいも同行するにゃ」

「ふにゃ?」

「ふふふにゃ~……今、自治区で魔導師フィーバーが起きてるのにゃ。情報ギルド〈ペンの翼〉の美少女記者を救ったヒーローだからにゃ……」

「自分で美少女って言ったにゃ、マンマ」

 一応、それは事実だ。

 猫人族はその愛らしい容姿から、ギルド自治区では大人気。かくいうミーアも商人ギルドで新規出店する店があれば、臨時看板娘として駆り出される。自慢ではないが、営業スマイルの効果はバツグンだ。

「密着取材にゃ、わがはいの記者魂がうずくのにゃ……っ!」

 にぱぁっ、と笑顔のマンマに、ミーアは渋い顔をした。

「あまり記事にされると、商売がやりにくいのにゃ! ミーが大もうけしたいのにゃ!」

「むふふ……出発するときに起こしてにゃ。……ぐぅ」

「にゃっ、寝たっ!」

 じゃれあう二匹を乗せた特急竜車が、辺境に向けて出発したのは昼前のことだった。