それから僕は、毎日学校に自分のバスケットボールを持っていくようになった。

 習い事をずる休みしていることは、両親にすぐばれたらしい。

 だけど舞花は、それからも習い事に行かず、僕と遅くまでバスケットコートで遊んだ。
 
 僕はあの日以来何も言わなかった。

 楽しかったからだ、舞花とバスケをするのが。

 二人でこのコートを駆けまわるのが。

 そこにはいつだって笑い声が響いていた。

 あの時は、体が触れ合っても、そんなこと意識しなくていいほど夢中でボールを追いかけていた。