出かけると本を一冊、それと一緒に、服や靴も買うようになった。
舞花の服はいつも歩美が選んでいた。
歩美はいつも同じ店で、安いTシャツとハーフパンツの組み合わせを買ってきて着せていた。
靴はなんの装飾もない黒っぽいスニーカーだった。
どうせすぐに汚す。
どうせすぐにボロボロになる。
どうせすぐに小さくなって買い換えないといけない。
それならこれで十分。
僕から見ても動きやすそうで、歩美の言うことももっともだと思って納得していた。
しかも節約にもなっている。
上下の組み合わせもすでに決まっていて、舞花は教え込まれた組み合わせを忠実に守って着ていた。
だけど今の舞花が選ぶ服は、歩美が選ぶ服とは全然違っていた。
透け感があったり、少し露出のある服だ。
繊細そうな素材やビーズをあしらった短めのスカートやズボン。
底の高いサンダルや、いろんな装飾の付いたスニーカー。
僕たちが選んで納得する、「人の目から見て安心感があって、動きやすくて子供らしい服」ではなかった。
機能性重視ではなく、ファッション性重視だった。