舞花に言われた通り、僕たちはマンションの近くの公園に車を止めた。
この地を去ってから三年。
その風景は全く変わっていなかった。
風景どころか空気も匂いも、何もかもが変わっていなくて、懐かしいというより、帰ってきたという感覚の方が強かった。
一歩一歩足を踏みしめるごとに、まるで昔の自分に戻っていくようだった。
この公園は舞花が小さい頃よく来た。
よく一緒に遊んだ。
ひたすら穴を掘り進めた砂場。
「押して」と言われて押してやったブランコ。
一人で滑るのが怖くて、膝の上に乗せて一緒に滑った滑り台。
小さな舞花が、公園のここそこに姿を現す。
__いつの間にか、一緒にここに来ることもなくなったな……
そう思った瞬間、小さな舞花がすっと消えた。