一週間はあっという間だった。

 初日と二日目だけはものすごく長く感じて心配も尽きなかった。

 常に胸がそわそわしていて、一日に何回も電話をした。

 三日目あたりからようやく気持ちも落ち着いてきて、電話も夜の一回だけになった。   

 猛烈な台風が直撃した日はさすがに心配したけれど、一週間がたつ頃には、舞花のいない生活に慣れていた。

 帰りも電車で帰りたいと舞花は言い張ったけど、お世話になったんだから、ちゃんとお礼のあいさつをしに顔を出すべきだと僕は歩美に提案した。

 それに、僕も久しぶりに義両親に会わなくてはいけないような気がしていた。



__「会えるうちに、会っておきたい」



 舞花のその言葉が頭の隅に引っかかっていたからだ。


 案の定、歩美は実家に帰ることにあまりいい気はしなかったみたいだけど、舞花を迎えに行く体で渋々同意した。

 久しぶりに会うし、あまり顔を出していないという後ろめたさで道中は緊張したけど、到着すると、義両親は僕たちのことを快く迎え入れてくれた。

 昔と何も変わらず。

 ただ、昔よりもぐっと年老いて見えた。

 最後に会ったのは今年の正月。

 まだ8か月しかたっていないのに、義両親は一気に年を取ったように感じた。

 お義母さんの白髪が増えたからだろうか。

 お義父さんの髪が少し薄くなったからだろうか。

 8か月で、そんなに変わってしまうものだろうか。

 その姿に目頭が熱くなった。

 歩美も同じ気持ちなのか、目や鼻の先が赤い。

 時がたつのは、どうしてこうも早いんだろう。

 子どもは大きくなる。

 親たちは、老いていく。


 僕たちは舞花の様子を聞きながら、そのついでのように、最近の義両親の様子も聞いた。

 他愛ない世間話は、近所の人の噂話とか、歩美の友達の両親に偶然久しぶりに会ったとか。

 どこぞの孫が生まれて、どこかの誰かが亡くなったとか。