舞花の交友関係で僕たちがお金を使ったことと言えば、スマホ代と、友達と遊びに行くためのお小遣い、友達への誕生日やクリスマスのプレゼント、それぐらいだった。
あとは主におしゃれ代だ。
スマホに関して言えば、今では無料通話アプリなんてものが開発されているおかげで、電話代はほとんどかからず、月々の基本料金や通信料だけで済んでいる。
スマホ本体も、子ども用のものなので、思ったほど値は張らなかった。
アクセサリーや化粧品は、お子様セットでもらえるようなものではなくなった分金額も上がった。
洋服も生地が減るほどなぜか高額になる。
女の子とは、男とは違う部分でお金がかかるんだということを改めて実感した。
中学生の女の子でも、おしゃれをしっかり意識していれば、大人顔負けの金額がかかるらしい。
それでも舞花のお金の使い方はかわいいものだった。
おやつとして買うお菓子は、スーパーのお菓子売り場の駄菓子コーナーに売っているような小さなお菓子を数個だし、500万円のことは伝えてあったとしても、高飛車ぶって友達と豪遊するなんてことはなかった。
買い物に行くたび何着も服を買ったり化粧品やアクセサリーを買い込むこともなかった。
常識的で、良心的だった。
遠慮しているんだろうか。
もっと、贅沢をしてもいいのに。
もっとわがままを言ってもいいのに。
我慢なんて、しなくてもいいのに。
だってこの500万円は、残しておいたって仕方ないのだから。