ゴーン、ゴーンと雲ひとつない青空に鳴り響く鐘の音。

 爽やかな風がひと吹きすると、無数の花びらが舞い上がる。

 その中に、ぽっ、ぽっと、色とりどりの花が姿を現す。

 僕はその花吹雪を目で追いかけた。

 花びら一枚一枚、花のひとつひとつに視線を送る。

 頭にふわりと落ちる柔らかな感触。

 目の前に落ちてきた花びらをそっと手に乗せると、何とも儚げだった。

 はらはらと舞う花びらたち。

 風と戯れる花びらたちは、まるで僕たちの手を優しく引いてくれているようだった。




 僕はあの日見た光景を、絶対に忘れない。