「優くん?」


 加恋ちゃんのところにたどり着いた僕は。
 自然に加恋ちゃんの手を掴んでいた。


「……き……」


「え?」


「……好き……だよ……加恋ちゃん……」


 そう。

 僕は。

 加恋ちゃんのことが。

 大好きなんだ。


「……優……くん……」


「……加恋ちゃんは……?」


「え……」


「僕のこと……どう……思ってる……?」


「……そっ……それは……」


 突然の告白だったからだろうか。
 加恋ちゃんは少し戸惑っている様子だった。


 加恋ちゃんの視線が僕から逸れ、そのまま無言になってしまった。


 それからしばらく沈黙が続く。

 その間。
 僕は加恋ちゃんのことを見つめ続けている。


 穏やかな風が僕と加恋ちゃんをやさしく包み込む。

 その風が。
 加恋ちゃんの髪を美しく揺らしている。



 ……いいんだ。
 いいんだよ、加恋ちゃん。

 そんなにも難しく考えなくても。

 僕はただ。
 自分の気持ちを偽りたくなくて。
 素直に自分の気持ちを加恋ちゃんに伝えた。

 だから加恋ちゃんは加恋ちゃんの素直な気持ちを伝えてくれればいい。

 僕は加恋ちゃんと、こうして一緒にいられるだけで充分幸せ。

 加恋ちゃんが僕のことを友達以上として想っていなくても。

 僕はこれからもずっとずっと加恋ちゃんと一緒に過ごすことができれば。

 一年後、十年後、それ以上も……。


 って。
 今、思ったこと。
 口に出さなければ、加恋ちゃんに伝わらないのに……。