はっと、目を開けると見慣れた風景。自室のいつものベッドの上。衣服が身体に張り付いて気持ち悪い。どうやら、汗をかいてしまったらしい。
身体を起こす。
なんだったんだ、今の夢は。
膝を立て、そこに顔を埋める。
――卒業パーティ。
――断罪イベント。
――悪役令嬢の国外追放。
――ヒロインのハッピーエンド。
「あれ、ここってゲームの世界?」
そんな言葉がついつい口から出てしまったのは、思い出したから。前世の記憶というものを。
見たことある風景が脳内で高速に再生されていく。
ヒロインはマリル・セテラ。
悪役はフェリッサ・スマイス。
攻略対象は、王太子、騎士団長の息子、司祭の息子、魔導士団の息子。
もしかして、もしかしなくても。
ロランドはただのモブキャラ。宰相の息子というおいしいポジションにも関わらず。
はあ、と息を吐いてから顔をあげる。記憶を取り戻した今、こうしてはいられない。あのゲームはヒロインにとってはハッピーエンドではあるが、悪役令嬢にとっては当たり前のバッドエンド。
――なぜ、あの優しいフェリッサが悪役令嬢なのか。
――なぜ、あの真面目なフェリッサが悪役令嬢なのか。
ぐるぐるとした思いに心の中を支配されつつも、こうしてはいられない、という気持ちもむくむくと沸き起こる。
身体を起こす。
なんだったんだ、今の夢は。
膝を立て、そこに顔を埋める。
――卒業パーティ。
――断罪イベント。
――悪役令嬢の国外追放。
――ヒロインのハッピーエンド。
「あれ、ここってゲームの世界?」
そんな言葉がついつい口から出てしまったのは、思い出したから。前世の記憶というものを。
見たことある風景が脳内で高速に再生されていく。
ヒロインはマリル・セテラ。
悪役はフェリッサ・スマイス。
攻略対象は、王太子、騎士団長の息子、司祭の息子、魔導士団の息子。
もしかして、もしかしなくても。
ロランドはただのモブキャラ。宰相の息子というおいしいポジションにも関わらず。
はあ、と息を吐いてから顔をあげる。記憶を取り戻した今、こうしてはいられない。あのゲームはヒロインにとってはハッピーエンドではあるが、悪役令嬢にとっては当たり前のバッドエンド。
――なぜ、あの優しいフェリッサが悪役令嬢なのか。
――なぜ、あの真面目なフェリッサが悪役令嬢なのか。
ぐるぐるとした思いに心の中を支配されつつも、こうしてはいられない、という気持ちもむくむくと沸き起こる。