ゲームの内容は、彼らと結ばれてエンディングを迎えるまで。だから、エンディング後の人生なんてわからない。
だけどゲームの演出の一つで、悪役令嬢であるフェリッサを陥れるのは快感だった。あの羨ましいくらい綺麗で、そして傲慢なお嬢様が、目の前で処刑されるのだ。
散々人を見下したあのフェリッサが。
そして思い出す。その断罪イベント中に、モブ役のロランドだけは冷ややかな視線をマリルに送っていた。一度目ならず、四度全て。
ゲーム後のそれらの人生には、絶対に彼が絡んでいるとマリルは思っていた。だから、フェリッサの処刑ルートでは自分は二十代で殺されるし、彼女の国外追放ルートでは捕らわれの人生となり、幸せではない結婚生活を送ることになる。フェリッサを陥れたマリルへの復讐であると、そう思っている。
だが、そのロランドは宰相の息子であるにも関わらず、このゲームの攻略対象ではない。
そんな彼であるが、ゲームエンディングからの数年後、父の跡を継いで、宰相の座につく。とにかく、頭脳に長けている人物だった。
彼はどのルートでも将来は結婚をするが、その相手はルートによって異なる女性だった。それでも、末永く二人は寄り添って人生を終えるらしい。
だから、五度目の人生はそんな幸せな生活を送ってみたいと思っていた。
そのためにマリルは攻略対象の四人ではなく、モブであるロランドを攻略する――。
そうすればきっと、結婚後の人生も幸せなものになるだろう。そう、それを期待して。
だから、絶対に彼を離さない――。
だけどゲームの演出の一つで、悪役令嬢であるフェリッサを陥れるのは快感だった。あの羨ましいくらい綺麗で、そして傲慢なお嬢様が、目の前で処刑されるのだ。
散々人を見下したあのフェリッサが。
そして思い出す。その断罪イベント中に、モブ役のロランドだけは冷ややかな視線をマリルに送っていた。一度目ならず、四度全て。
ゲーム後のそれらの人生には、絶対に彼が絡んでいるとマリルは思っていた。だから、フェリッサの処刑ルートでは自分は二十代で殺されるし、彼女の国外追放ルートでは捕らわれの人生となり、幸せではない結婚生活を送ることになる。フェリッサを陥れたマリルへの復讐であると、そう思っている。
だが、そのロランドは宰相の息子であるにも関わらず、このゲームの攻略対象ではない。
そんな彼であるが、ゲームエンディングからの数年後、父の跡を継いで、宰相の座につく。とにかく、頭脳に長けている人物だった。
彼はどのルートでも将来は結婚をするが、その相手はルートによって異なる女性だった。それでも、末永く二人は寄り添って人生を終えるらしい。
だから、五度目の人生はそんな幸せな生活を送ってみたいと思っていた。
そのためにマリルは攻略対象の四人ではなく、モブであるロランドを攻略する――。
そうすればきっと、結婚後の人生も幸せなものになるだろう。そう、それを期待して。
だから、絶対に彼を離さない――。