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ロランドがあのマリルと婚約した、という話は、その婚約の翌日には学園内を駆けまわっていた。それだけロランドという人物はこの学園にとっても影響力のある人間だった。
マリルは婚約にあたって、ロランドの母親の実家の養子となっていた。これで彼と釣りあうような身分を手に入れた、というわけだ。
「ロランド」
授業が終わり、一人で帰ろうとしたところ、ジュリアスに呼び止められた。
「どうかしたのか?」
ロランドが声をかけると、ジュリアスはバツが悪そうな表情を浮かべる。
「いや、その。マリル嬢とのことだ。素直におめでとう、と言っていいものかどうかを悩んでいる」
なぜだ、とロランドの目が言っている、
「もしかして、お前。マリル嬢を守るために婚約したわけではないよな」
「どういう意味だ?」
ロランドは眉根を寄せた。一瞬、フェリッサへの気持ちがばれてしまったのか思ったが、彼は今、マリルを守るために、と言った。ロランドがマリルと婚約をしたのは、フェリッサを守るためだ。
「いや、ほら。あのとき、植木鉢が落ちてきたときだ。俺が変なことを言ったからかと思って、だな」
「お前が気にしている変なことってあれか? あれは事実だし。それに俺は、マリル嬢のひたむきな心に惹かれたのだ。だから、お前が言ったことは関係ない。気にするな」
ロランドがあのマリルと婚約した、という話は、その婚約の翌日には学園内を駆けまわっていた。それだけロランドという人物はこの学園にとっても影響力のある人間だった。
マリルは婚約にあたって、ロランドの母親の実家の養子となっていた。これで彼と釣りあうような身分を手に入れた、というわけだ。
「ロランド」
授業が終わり、一人で帰ろうとしたところ、ジュリアスに呼び止められた。
「どうかしたのか?」
ロランドが声をかけると、ジュリアスはバツが悪そうな表情を浮かべる。
「いや、その。マリル嬢とのことだ。素直におめでとう、と言っていいものかどうかを悩んでいる」
なぜだ、とロランドの目が言っている、
「もしかして、お前。マリル嬢を守るために婚約したわけではないよな」
「どういう意味だ?」
ロランドは眉根を寄せた。一瞬、フェリッサへの気持ちがばれてしまったのか思ったが、彼は今、マリルを守るために、と言った。ロランドがマリルと婚約をしたのは、フェリッサを守るためだ。
「いや、ほら。あのとき、植木鉢が落ちてきたときだ。俺が変なことを言ったからかと思って、だな」
「お前が気にしている変なことってあれか? あれは事実だし。それに俺は、マリル嬢のひたむきな心に惹かれたのだ。だから、お前が言ったことは関係ない。気にするな」