「ロランド、それくらいにしておけ」
この場を収めるのは王太子であるナイチェルか、話題にあがったパトリックにしかできないだろうと思われていた。だが、声を発したのは赤髪のジュリアスだった。
「お前にそこまで言われたら、誰も何も言うことはできない」
ジュリアスはロランドの肩に手を置いた。
「すまない」
ロランドは落ち着きを取り戻したのか、ふっと息を吐いた。
「マリル嬢」
彼女に声をかけたのはパトリック。
「光の精霊との契約、おめでとう。できれば、卒業後は魔導士団へ入団して欲しい」
パトリックが差し出した右手に、マリルも自分の右手を重ねた。
握手。
「はい。喜んで」
まさかのパトリックルート解禁か。ロランドが険しい視線でそれを見つめていたことに、ジュリアスは気付く。
精霊との契約の儀は終わった。さっさとその教室を立ち去ろうとするロランドにマリルが声をかけてきた。
「ロランド様。あの、先ほどはありがとうございました」
「礼を言われるようなことはしていない」
「いえ、ですが。ロランド様は私がずっと魔法の練習をしていたことを、認めてくださいました。それが、嬉しいのです」
「事実を口にしただけだ」
「それが私にとって嬉しいことであることを、ロランド様はお気付きになられていないのですね」
この場を収めるのは王太子であるナイチェルか、話題にあがったパトリックにしかできないだろうと思われていた。だが、声を発したのは赤髪のジュリアスだった。
「お前にそこまで言われたら、誰も何も言うことはできない」
ジュリアスはロランドの肩に手を置いた。
「すまない」
ロランドは落ち着きを取り戻したのか、ふっと息を吐いた。
「マリル嬢」
彼女に声をかけたのはパトリック。
「光の精霊との契約、おめでとう。できれば、卒業後は魔導士団へ入団して欲しい」
パトリックが差し出した右手に、マリルも自分の右手を重ねた。
握手。
「はい。喜んで」
まさかのパトリックルート解禁か。ロランドが険しい視線でそれを見つめていたことに、ジュリアスは気付く。
精霊との契約の儀は終わった。さっさとその教室を立ち去ろうとするロランドにマリルが声をかけてきた。
「ロランド様。あの、先ほどはありがとうございました」
「礼を言われるようなことはしていない」
「いえ、ですが。ロランド様は私がずっと魔法の練習をしていたことを、認めてくださいました。それが、嬉しいのです」
「事実を口にしただけだ」
「それが私にとって嬉しいことであることを、ロランド様はお気付きになられていないのですね」