マリルが魔導士団長の息子パトリックと結ばれた場合。こちらも国外追放で、魔獣の森へと連れていかれる。数日、その森をさ迷ったフェリッサは、魔獣によって殺される。こちらも映像美は素晴らしいのだが、やはりグロい。その演出、本当に必要だったのか、と小一時間程、問い質したい。

 最後にマリルが司祭の息子アーサーと結ばれた場合。彼の父親はこの国でも王家と同等の力を持つブライトクロイツ教の司祭。やはりその力によって、フェリッサは処刑される。

 思い出したことを書き出しただけでも、フェリッサにとっては見事なバッドエンド。
 このゲームの制作者は、フェリッサのことを毛嫌いしているのだろうか、と疑いたくもなる。

 ロランドは頭を抱えるしかない。それと同時に、フェリッサを今すぐにでもナイチェルから奪いたいという衝動に駆られる。だけど、ロランドがナイチェルからフェリッサを奪ったとしても、マリルが攻略対象者の誰かと結ばれてしまう限り、フェリッサを待つ未来は国外追放か処刑。

 だったら、発想を変えてみよう。マリルが彼らと結ばれなければいいのだ。あの攻略対象者と同等に張り合えるような男をマリルにあてがえばいい。
 だが、そんな男は他にいただろうか。