「契約持ち出されたときはびっくりしたわ。それに、一方的に弱みを握られたと思ったから、私もかなり梶原の事警戒しちゃったし……。しかし梶原も脛に傷持つ人間だったなら、先に言ってくれたらよかったのに」
生徒会室の椅子に腰かけて加奈子が言うと、そんなことみすみすバラすかよ、と梶原が言った。
「俺だって隠し通せるもんなら隠し通したかったんだよ。……っていうか、あれは完全に市原が悪いぞ」
「ええっ? なんで私が悪いのよ」
梶原の不満は分かるが、そもそもそんな趣味を持っていたのなら同族じゃないか。加奈子はそう思って梶原の『趣味』を知った時のことを思い出した。