───ねえ、スミはさ、もしも自分のいる星を消せるとしたらどうする?
いつの日か、屋上で寝そべったセナが、なんでもないことのように尋ねてきた言葉だ。
私も私で、昔そんな感じの夢を見たことがあったしそういう映画を見るのも好きだったから、わりと乗り気で話に食いついていた。
「ええ、それって地球ってこと?」
「いや。地球以外の星にいれば、その星が消せる。例えば地球に隕石が迫ってたとして、それに触れさえすれば星の存在ごとなかったことにして消せるんだ」
「それ、でも、自分も死んじゃわない?」
「死ぬっていうか、無くなる。星の存在を消すのに、自分も巻き込まれるっていうのかな」
「えっ、命がけじゃん!絶対やだ」
「……うん」
"スミはそう言うって思ってた。"
"保守的って言いたいの?"
"自分を守り抜く強さがあるって、褒めてるんだよ。"
そんな言葉を交わしながら、セナはいつもと変わらない様子で笑っていて、
でも思い返せばセナは、いつもふっと風が吹いたら消えちゃいそうなくらい、優しく透明に笑うひとだった。
いつの日か、屋上で寝そべったセナが、なんでもないことのように尋ねてきた言葉だ。
私も私で、昔そんな感じの夢を見たことがあったしそういう映画を見るのも好きだったから、わりと乗り気で話に食いついていた。
「ええ、それって地球ってこと?」
「いや。地球以外の星にいれば、その星が消せる。例えば地球に隕石が迫ってたとして、それに触れさえすれば星の存在ごとなかったことにして消せるんだ」
「それ、でも、自分も死んじゃわない?」
「死ぬっていうか、無くなる。星の存在を消すのに、自分も巻き込まれるっていうのかな」
「えっ、命がけじゃん!絶対やだ」
「……うん」
"スミはそう言うって思ってた。"
"保守的って言いたいの?"
"自分を守り抜く強さがあるって、褒めてるんだよ。"
そんな言葉を交わしながら、セナはいつもと変わらない様子で笑っていて、
でも思い返せばセナは、いつもふっと風が吹いたら消えちゃいそうなくらい、優しく透明に笑うひとだった。