悔いがないのかと聞かれれば、正直腐るほどある。

数学はもう教えられないし、この間教えたことも、きっとスミの記憶からは消えるし(もともとそんなに残ってないか)。

意識のあるスミとキスしたかったし、ていうかそんなこと言ったらもうめちゃくちゃ触り足りないけど、

……まあでも、そうだな。


きみが紡ぐ俺の名前に負けないくらい、俺はきみのことを呼べたから。

もうそれだけでいいやって、今は思ってるよ。



ねえ、スミ。



肝心な言葉、言えなくてごめんね。
勝手にキスしたのも、まあ反省はしてないけど、一応ごめん。

……あとさ、スミ。