───そこら中から、割れんばかりの緊急アラートが鳴り響く。


これも夢ですでに知っていた光景だ。
たぶん本当ならこれくらいはスミも知っていただろうけど、その辺はどうやらうまい具合に書き換えられてるらしい。

不安に染まったスミの瞳が、真っ先に俺を探す。


セナ、という震えた音が、俺の決意の合図だった。


スミの小さな頬を、そっと手のひらで包む。
抱きしめたりチューしたり、そういうのちゃんと我慢した俺をどうか誰か褒めてほしい。

なんて、もうすぐ俺のこと自体誰も知らない世界になるんだけどさ。



「……大丈夫だよ、スミ」



いつかきみがしていたであろう無茶で、
俺がきみを守るよ。