「篠田さん、大石さん、いい?」
「はい。……って、え? 何が?」
「ではこれで分担も決まったので、それぞれに別れて話し合いをしてくださーい」
クラス委員長が話を締めようとしていた。私たちがちょっと話を聞いていないうちに、焼きそば、コロッケ、アメリカンドックの、それぞれの分担が決められてしまっていた。
一番難易度の高いコロッケに、話を聞いていなかった私とミカはなってしまっていたのだ。
「えーっ! コロッケなんて、私作れないよー。みんなズルイ~、簡単な物ばかりに行ってんじゃん」
ミカは文句を言っている。話を聞いていなかったのが悪いと、みんなから責められていた。
「コロッケなんて簡単じゃん」
「えー、杏作れるのぉ?」
「うちの親の得意料理だからね。教えてもらったことあるし」
この言葉がまた、私の不幸の始まりだった。
「じゃ、篠田さんがコロッケチームのリーダーね!」
嫌々コロッケチームになってしまったみんなが、揃って私を指名した。
「ちょっと、まっ……」
「決定~~!」
こいつら~!
みんなの言葉にミカもニヤニヤと笑っている。
私はまた面倒なことを背負い込んでしまった。