「……」

 嫌がらせか?

「フロム ザ ワン……」

 意味わかんない。

 何これ、私が英語嫌いなこと知っていての嫌がらせ!? ギリ読める程度で、意味がまったくわからん。

 私は、ぷくぅと頬を膨らませた。

「どうした?」

 ふてくされた私の顔を見て、井関がまた声をかけてきた。

「なんて書いてあるのか、意味がわかりません」

 ピラッと、無意識にそのメモを井関に見せてしまっていた。

「……From the one that loves you……あなたを愛する者より……これ、ラブレターか?」

「ラブレター!?」

 私は静まり返った玄関に、響き渡るほどの大声を上げてしまっていた。

 缶のアールグレイと、その手紙を握り締めながら。