私って、こんなウジウジした奴だったっけ? ふと疑問に思いながら、喉の渇きを潤すため、ミルクのたっぷり入ったアイスコーヒーを飲んだ。

「あのね……好きな人が、出来たんだ……」

 とうとう言った。好きな人に告白したような気分だ。

「……ぅ、えぇー!?」

 静まり返った店内にミカの大声が響きわたった。数人のお客さんが揃ってこちらを見る。スミマセンと言うように、軽く会釈をするミカ。そしてグイッと顔を私に近づけ、コソコソと話し出した。

「ちょっと、ちょっとー! そんな人が居ること、一言も聞いてないんだけどぉ!?」

「今、初めて言ったもん」

 驚きを落ち着けるように、ふぅと一呼吸するミカ。

「……杏は昔っからいつも突然……なんだよねぇ」

「……」

「さっきの話を聞いて、その相手が入江先輩ではないって分かったけど。その人って誰なの?」

「……」

「……」

 2人して無言になる。