昨日の夜、ミカからメールが届いた。

【入江先輩が杏のこと気にしてるらしいよ。会ってないんだって?】

 入江先輩はミカの彼氏、リク先輩に相談したのだろう。入江先輩のこともあるし、自分の気持ちをいつまでもミカに黙っていることは出来ない。私は自分の気持ちをミカに話す決意をした。

 ミカがずっと井関先生のファンだということは知っている。例えそれが、ただの憧れだったとしても。

 今まで井関先生に無関心で、無関心どころか、むしろ嫌いだった私が、今じゃ先生を好きなんて言ったらミカはどう思う? 

 怖くて話すことが出来ずにいた。

 ミカがリク先輩に片想いしていた頃、たくさん相談してくれたよね。嬉しいことも、悲しいことも、みんな、みんな。それが私には嬉しかった。

 そういう気持ちを私は忘れかけていた。井関先生のファンの子たちに、ヤキモチをやくことも、ただ会えるだけで嬉しい、声がきけるだけで嬉しい。

 先生を好きになってしまった、この戸惑いをミカに話したいよ。