本当は補習も教室でするんだけど、2学年の中でも一番英語の成績が悪い私は、他の生徒よりも多く補習日が設定されていた。今日は私だけだからと、職員室に隣接している相談室で勉強することになり、先生はその相談室のクーラーをつけて、涼しくしてくれていたのだ。

「ま、2人だけだから、特別な」

 先生はそう言って笑った。

「夏休み前のテスト、もうちょい点採れていたら、補習日も増えずに済んだんだけどな」

 プリントを出しながら先生が言った。

「……みんなズルイ。夏休み遊ぼうと思って、夏休み前のテストだけ頑張ってるんだもん。ミカだって、リク先輩と遊ぶからって、必死に勉強してさー」

 私はブツブツと言いながら、ぷくぅと頬を膨らませた。

「ぷぷっ」

 私を見て、先生が笑う。

 あ……ふてくされると頬を膨らませるのが癖だと、先生に言われたのを思い出した。

 もう! またやっちゃった!

 恥ずかしい。本当にコレ、私の癖なんだ……。

 私にこんな面があったんだと、いろいろ気付かされる。