「お待たせ~」
ミカたちは私と先輩をわざと2人きりにして、随分の時間をかけて戻って来た。飲み物とバーガー、ポテトなど、山盛りだ。
どこまで話し進んだ?と、肘うちするミカ。
ミカたちが戻ってくる少し前の、先輩からの告白。私は返事が出来なかった。話をしたのは初めてだし、優しそうだけど、まだ先輩のこと何も知らない。
そう伝えると、先輩は……「いいよ、急がなくて。これから少しずつね、勉強もしないと」と、笑った。
その日は連絡先を交換しただけで、終わった。
先輩はとても優しい人。
でもあの手紙のことは話せずにいた。
もし差出人が先輩だったら? 私はいったいどうするんだろう? 自分でも、分からずにいた。
それから毎日、先輩からメールが届いた。そして時々会って、英語の勉強。
その間もアールグレイと手紙は届いていた。
そして毎日、井関先生に手紙を訳してもらっている。
「どうして手紙のこと、入江先輩に話さないのぉ? 先輩なら英語も出来るんだし、訳してもらえばいいのにー」
そうミカに言われたこともある。
なんでだろう? 自分でもわからないでいた。
手紙の差出人は先輩かもしれない……違う人かもしれない。英語が出来る先輩に訳してもらっても、いいんじゃないか。何度かそう考えたこともあった。
そうしたら行きたくもない職員室に、わざわざ行かなくても済むし、井関先生に見せなくてもいいんだし。
でも……。